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はじまり。 - 皿子さんストーリー

Day 1

プロンテラ城内 10:00am

皿子 「最近、普通の狩りに飽きてきたんだよね」

影葱子 「ほお? ま、単調なのは同意するよ」

皿子 「それで、ちょっと考えたんだけど、ギルド作ってGvGしてみない?」

影葱子 「GvGねぇ。
 古参のギルドもたくさんあるのに、今更ギルド作って人なんか集まるもんかねぇ。
 GvGしたいだけなら、どこかギルド入れば?」

皿子 「でも、それだとお宝独占できないよ?」

影葱子 「ぐぬぬ、それは一理ある。そして、お宝には非常に興味がある」

皿子 「なかなか市場に出回らないモノもあるしね」

影葱子 「盗めないものもあるからなぁ」

皿子 「というわけで、ギルドを立ち上げない? エンペリウムなら用意済み」

影葱子 「ま、試しにやってみるのはいいと思うね。ちょっとやってみようか」

皿子 「そうこなくっちゃ」

影葱子 「でも、やるなら、きちんとやりたいね」

皿子 「そうだね。まずは人集めからかな」

影葱子 「資金も必要だ」

皿子 「ちょっと貯金あるから、始めはそれでなんとかする」

影葱子 「私もちょっと久々にどっかに忍び込んでこようかな」

皿子 「あれ、足洗ったんじゃないの?」

影葱子 「どうかな」

プロンテラ旧剣士ギルド前 10:30am

影葱子 「というわけで、早速メンバーを募集してみよう」

皿子 「ここでいいのかな」

(待つ)

(待つ…)

(待つ……)

影葱子 「来ないねぇ」

皿子 「来ないねぇ」

影葱子 「人通りはあるんだけど、そもそもギルドに入ってなさそうな人があんまりいない」

皿子 「これからGvG始めるってのはちょっと無理なのかしら…」

影葱子 「ま、もうちょい待ってみようよ」

(待つ)

(待つ…)

(待つ……)

皿子 「ちらちら見られてる気はするんだけどなぁ」

影葱子 「それはハルナのおっ……」

皿子 「え?」

影葱子 「いえ、なんでもないです」

(待つ)

(待つ…)

(待つ……)

影葱子 「……おなかが空きました」

皿子 「ええ、とっても」

影葱子 「昼飯食ってから再開しますか、って思ったけど、おいらは午後から用事があったんだった」

皿子 「では続きは明日にしますか…」

影葱子 「そんな感じで」

プロンテラメインストリート 3:00pm

皿子 「GvGするならば装備も必要よねぇ……思いつきで言ってみたものの、一体いくらかかるのやら」

メカ男 「そこのお姉さん、何をお探しですかね」

皿子 「あら。……えっと前にお会いしたことがあるようなないような?」

メカ男 「ハルナ姉さん、ひどいっすなぁ。メカニックの中のメカニックといえば、この俺様、アラン=カプラスのことっすよ」

皿子 「あ、思い出した。ノーグダンジョンで必死にグリードしてた人だ」

メカ男 「姉さんとパーティ組んでた時はめちゃくちゃ稼がせていただきましたぜ。スキルが使えまくりっすからね」

皿子 「私もずいぶんと稼がせてもらったわ」

メカ男 「で、その姉さんが、露天めぐりとは珍しいなと思いましてね。新たにほしい装備でも出てきましたかね」

皿子 「GvGをやってみようかと」

メカ男 「GvGですか…? また何が目的で」

皿子 「宝…かな」

メカ男 「神器もありますしな」

皿子 「その辺は買ったほうが安くつく気もするけど」

メカ男 「時間と労力を考えると金策した方がよさそうですな」

皿子 「ま、とにかく、何か新しいことをしてみたくなってね」

メカ男 「そうでしたか。それなら装備は…あ、いや、それよりも、まず、俺をメンバーにしてくれませんかね。人数は必要でしょう」

皿子 「もちろん。歓迎するわ」

プロンテラ酒場 6:00pm

メカ男 「というわけなんだ。あのハルナ姉さんがどかんと何かやらかすらしい。ここは一発乗ってみないか?」

客1 「ほ~お? そいつはちょっと興味があるね」

客2 「んだんだ」

客3 「俺は今いるギルドに不満があるんだよな。話次第ではそっちへ乗っかろうかね」

客4 「あの乳が毎日見れるなら、もちろんギルドに参加させてもらうぜ。うへへ」

客2 「それは間違いねえ!」

客3 「で、どうすればそのギルドとやらに入れるんだ」

メカ男 「明日、旧剣士ギルド前で募集するとか言ってたぞ」

客1 「じゃぁ、おてんと様が昇る前から待機しておかないとな!」

客4 「どうぜ飲みすぎて寝坊すんのが関の山だろ」

客1 「なんだとぉ? おい、ちょっとPvPで勝負すっか?ああ?」

客4 「いつでも受けて立つぞ」

客3 「お、見学なら付いていくぜ」

客1 「酔い覚ましにてめーらまとめて成敗してやるわwww」

メカ男 「……声かける相手間違えたかな」

イズルード酒場 10:00pm

影葱子 「そこの三つ子のプリ君たち」

プリ1 「はい! シンディさんお久しぶりです!」

プリ2 「お久しぶりです!」

プリ3 「お久しぶりです!」

影葱子 「相変わらず元気だけはいいわねぇ。で、まだハイプリーストにはなれないの?」

プリ1 「転生のための寄付金と、その後の修行に必要なお金がなかなか貯まらなくて」

影葱子 「たいした額じゃないじゃない」

プリ2 「ボクたちにとっては大金なんですよ!」

プリ3 「そうなんです…!」

影葱子 「ふぅん…。で、ちょっといい話があるんだけど」

プリ1 「何ですか?」

影葱子 「ちょっとお宝集めるのに人が必要でさ。ついでに、あんたたち、お金に困ってるみたいだし?」

プリ2 「めちゃくちゃ困ってます!」

影葱子 「ちょっとアルバイトしない?」

プリ3 「アルバイト……!」

影葱子 「毎週数時間のお仕事で一人数メガは稼げるわよ」

プリ1 「……やらせてください!」

プリ2 「お願いします!」

プリ3 「なんでもやります!」

影葱子 「じゃ、そんな感じでよろしくね♪」

プリ1 プリ2 プリ3 「はい!」

リヒタルゼン 宿屋 10:30pm

皿子 「zzz…」

モロク酒場 11:45am

影葱子 「あ、いたいた…」

修羅子 「やぁ、シンディ!」

影葱子 「やぁ、リリィ!」

修羅子 「あれ、ハルナは一緒じゃないの? なら私もう帰る」

影葱子 「まぁちょっと待ちなさいって。一杯くらいならおごるから」

修羅子 「しょうがないにゃぁ。で、何よぉ」

影葱子 「ハルナがね、ギルド作るって。GvGしたいんだって。  リリィはもちろん入るよね?」

修羅子 「え、もちろん入る入る!」

影葱子 「じゃ、それを伝えに来ただけだから、もう帰るね」

修羅子 「え、おごってくれるんじゃないの?!」

影葱子 「え、そんなこと言ったっけ」

修羅子 「え……」

ピク 「あ、あのぉ、お取り込み中のところすみませんでござる」

影葱子 「え、何、今時、傘オペラのピク」

修羅子 「てか、どこから出てきたんだろう…」

ピク 「えと、ハルナさんって、あのソーサラーの方でござるか」

影葱子 「え、ええ、そうですけど」

ピク 「拙者もそのギルドに入りたいでござる」

影葱子 「う、うん、いいんじゃないのかな。明日プロの剣士ギルド前に来るといいよ」

ゲフェン酒場 1:10am

影葱子 「確かここだったはず…」

民夫 「お゛ーれ゛ーの゛ーう゛ーた゛ーを゛ーき゛ーけ゛ー」

影葱子 「いた。そして、相変わらずひどい声」

民夫 「いいんだ、俺は唄は苦手なんだ」

影葱子 「楽器の演奏ならば右に出るものはいないのに」

民夫 「照れる」

影葱子 「でさ、ちょっとお願いがあって来たんだけどさ」

民夫 「なんだ?」

影葱子 「ギルド作るからメンバー集めたくてさ」

民夫 「そんなの自分でやれよ。そういうの得意だろ」

影葱子 「マスターがハルナでも?」

民夫 「何?」

影葱子 「GvGしたくなったんだって。プレクトの名を覚えてもらうには絶好の機会だと思うよ?」

民夫 「ぐぬぬ」

影葱子 「何度も同じパーティで戦ってるのに、なかなか名前覚えてもらえないよね」

民夫 「ぐぬぬ」

影葱子 「あ、ハルナは今相方とかいないよ。募集してるかは知らないけどね」

民夫 「ぐぬぬ…」


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